カエル雨

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これは私が人里離れた旅館で小説を書いていた時の話だ。
曇天。カエルが騒がしく歌い始め、そろそろ雨が降ろうかという頃、女将に言われた。
「本日は外に出ぬよう、お願いします」
思わず眉を顰める。外出するなではなく、室外に出るなでもない。外に出るな。
異な事を言う。理由を聞いてみた。
「今みたくカエルが煩く鳴く雨は、ここじゃカエル雨と言われておりまして、この雨に打たれるとその身がカエルになってしまうのです。カエルと成り、家に帰れぬ事から、帰れず雨、かわず雨、カエル雨と呼ばれております。この鳴き声も、カエルが人に戻りたいと鳴き叫んでいるのかもしれません…」
その話を聞き激怒したは同室の担当者。今日中に私の原稿に持ち帰らなければ困る!と声を上げる。
担当は女将が止めるも雨の外に出た。安全を証明したかったのだろう。
だが待てど暮らせど担当は戻ってこない。外に耳を向けるとカエルの鳴き声が一つ増えていた。
公開:24/06/15 20:59
両生類の豪雨

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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