賢者になれる杖

神社の境内を掃除していると、杖になりそうな木の枝を見つけた。
それを使い日々散歩をしている内に、何故か頭が閃き今まで読めなかった漢字や意味も即座に理解できた。更に高度な数式問題を見ても、簡単に解ける様にもなった。
きっとこれは神様から、賢くなれる賢者の杖を私は授かったのであろうか。
宮司さんにお話し確認すると、昔より当寺院には賢者の杖があると伝わっている。多分それを貴方は手に入れたのでしょう、何でもこの杖は周りにいる賢い人々の得意な優れた知恵を吸収し、更に賢くする力があると聞いておりますと。
これは素晴らしい、これを使えば自分はどんな難関大学も国家試験も簡単に合格できそうだと、有頂天になりピョンピョンと跳ねながら散歩をしていた時、石に躓き転けてしまった。その時賢者の杖も折れてしまい不思議な力も消え失してしまった。
やはり地道な努力しか賢くなれないのであろうと、今は反省の日々を過ごしている。