リイホル

リイホル。それは私の勝負菓子。
私は手土産に必ずリイホルを選ぶ。これがあればどんな現場も丸く収められる。
リイホルは歴史ある和菓子。千利休が茶菓子として愛用していた逸品。
その昔、お茶で心鎮める事を「利休る」と呼んだ。それが「り休る」に変わり「リイホル」が生まれた。
その時代の名残からか、私はリイホルを差し入れる際は茶葉も沢山用意しておく。リイホルを戦場たる将棋に見立てる為だ。
ホ兵ならぬ茶兵。前進を続けて金になる。
角はカドが立たないようにと早めに取る。
香を近付け、相手の興味を引き出す。
桂は取らない触れない。
飛び道具はここぞという時まで取っておく。
金や銀の勘定はがっつきすぎると嫌われる。相手の動きをよく見る。
交渉成立なら、仕上げは玉露で乾杯。
リイホルは将棋なくして語れない。チェスやオセロみたく白黒つけないのが味なんだ。
win-winな関係になれるよう食べ進めていくと楽しい。