窯うえ

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わしはキレイな釜にこだわりおもつじい。

いつもキレイな窯を作ることに注視してきた。
今日はキレイな窯を作ることだできた。いつもよりもいい。

しかしなぜうまくできたのか。

それ一個以外もう
その窯からキレイにできた器はもうない。

わしは窯を恨んだ。

こんな釜はなければいいのにと思った。

でもこのかまはキレイなまま残ったかまだ。
しかし代々の古窯で

わしの作ったこだわりの窯ではない。

それが悪いのか。

突然雨が降ってきた。雨はいつも
わしの心を洗い流してくれた。

キレイな心はいつもわしの味方だった。

わしはいつも丁寧な仕事でひとつの釜に向き合ってきた。
釜の呼吸。空。土の匂い。風のざわめき。ーー

わしにはできなかった。

毎日向き合ってできたこの作品が。

わしにはできた。
公開:24/06/12 12:58

 理想(  Japan )

 誰かの小部屋から聞こえる物音

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