登校

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少し緩いけど長く続く坂道
わたしの通う学校はこの坂の上にある

いつもなら余裕を持って家を出るから
ゆっくりと歩きながら坂道を上がっていく

さほど疲れもしないペースをわたしは
この1年間で掴んでいた
坂道の両脇に植えてある桜の木々の遷り変わりも楽しめる余裕すらあった

だけどこれからは違う
また1からペースを掴んでいかなければ

朝起きる時間も 髪の毛を整える時間も 朝食の時間も 家から出る時間も 
近所の犬に挨拶する時間も
踏み切りの閉まる時間も
そして 新しい歩幅も…

その一つ一つが新しく意味を持ち始める
今まではわたし一人の意味だった
でもこれからは二人の意味になっていく

きっと毎日の風景も変わってくんだろうな

わたしの胸は高鳴っていた
青春
公開:24/06/12 06:07

icchi

頭の中に浮かんでは消える意味のない想いのようなものを成仏させてあげたくてただただ書いてます

青春の呪いが多分にかかってると思われます

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