AI料理

「今夜、何が食べたい？」
と、家族に聞くと
「なんでも～」
と、適当な答えが返ってくる。

これで私が適当に作ろうものなら
「え～…今日はこれの気分じゃないんだけどなぁ…」
と、文句を言ってくる。

なので今日、私は何を作るかAIに任せてみた。
冷蔵庫の中をカメラで撮影し、その材料から何を作るべきか、AIに判断してもらう。
…表示された料理は、作った事がなければ、見た事も聞いた事もない。
そもそもこれは本当に料理なのか？…まあいいや。家族は「なんでもいい」と言ったんだ。
とりあえず作ってみるとしよう。

「…何、これ？」
困惑の表情を浮かべる家族。
冷蔵庫の中身からAIが導き出した料理だと伝えると、家族はそれに恐る恐る箸を伸ばす。
不味くもなければ、美味くもない。よく分からない味の、よく分からないものを食べ進める家族。
それを眺めながら、私は自分用に作った定番のおかずを美味しく食べ進めた。