おかあさん

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『ぼく大きくなったらおかあさんと結婚する!』

そう最後に言ったのがいつのことかもう思い出せない

今わたしには最愛の妻と子供がいる

それでも時々幼い頃のあの言葉が思い出される

仕事を持ち家庭を持ち自身の生活に満足している

なのにどうして今あの言葉を思い出すのだろうか

がむしゃらにここまで走ってきた だからこそ掴み得た現在がある

振り返るにはまだ早い

ふと目をやると妻と子供が遊んでいる

その光景に幸せを感じる 

『ママ 大きくなったらぼくのお嫁さんになってよ』

聞こえた言葉に驚いて妻と子供の方を見る

わたしのリアクションに驚いたように妻が言った

『子供ってほんとに無邪気でかわいいよ
ね』

その微笑みは慈愛に満ちた表情だった

その笑顔を見てわたしはわかったような気がした

思い出してたのはあの時のわたしの言葉じゃなく

母の笑顔だったのだということを
その他
公開:24/06/11 01:02

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