斬新な死刑

「これより、死刑を執行する！」

ロッカーか棺桶か。縦長の箱に閉じ込められた俺の耳に重々しい声が響く。
火あぶりか？水攻めか？毒ガスか？箱の中で迎える最後をいくつも想像する。
ふと軽快な音楽が聞こえてきた。これは確か…オリーブの首飾り？手品で定番の曲だ。
それが何で今？ああ、そういうことか。俺は今から串刺しにされるんだな。
執行人が剣を取り、箱に刺す。
痛っ…たくない？剣は箱に次々と刺されている。だが俺は無事だ。
これ、マジで手品かい！
思わずツッコんでしまう。
執行人は箱に手を伸ばし、俺の胸のあたりの箱を引き抜いた。
人体切断マジック！
って、なんやねんこれ！
執行人は引き抜いた箱の中から何かを取り出そうとしている。
箱から出てきたそれは俺の心臓だった。執行人はナイフを取り出すと心臓に突き刺した。
心臓は痛みを感じないと聞いた事がある。
だから痛みはないが、あまりの驚きにショック死した。