名画でショート016『自画像(緑色のブガッティを運転するタマラ)』(タマラ・ド・レンピッカ)

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流行とは周期のようなものだ。
ある時には大流行しても、しばらくすると時代遅れとなり、また時がたつとリバイバルがの波が来て見直される。
だから、いまの私がどのような服を着ようと、何色を選ぼうと、百年先を考えると意味がない。
手にしている最新式の帽子も、十年後には奇妙になり、二十年後には忘れ去られ、そして百年後には復活しているかもしれない。
ファッションとは、そういうものなのだ。移ろいゆく水面を掬いあげるようなもの。水は掬い取られた瞬間に形を変え、いままでの姿は忘れ去れる。
だから、私は自由に服を選ぶ。
好きな色を選ぶ。
気に入った帽子をかぶる。
そしてこれらを絵に残す。
この絵が何年先の未来まで残るのか、想像もつかないけれども。
その他
公開:24/06/08 00:05

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