霊障

男友達と心霊スポットに行った彼が１時間もしないうちに帰ってきた。忘れ物か？
彼は私の手を引き部屋を飛び出す。急に何？
「俺、幽霊に触られた。見えるようになった。あいつら、ずっと俺を見ているんだ！逃げるぞ！ここはもうダメだ！」
その異常さに私は彼の手を振り払う。
彼は悲しげな表情を浮かべると、暗がりの細道へと駆け出した。
…それっきり、彼とは会っていない。彼と、彼の男友達は行方不明になった。
私は警察の捜査に協力する為、彼と別れた場所へと案内する。
「この道…ですか？どこです？ここはどう見ても壁。抜け穴一つないです」
首を傾げる警察官。そんなバカな。この暗がりの細道が見えないのか？
手を伸ばす警察官。暗がりの直前で何かに阻まれる。
私も手を伸ばす。暗がりの中へと腕が沈む。それを見て警察官が驚く。
私の腕が何かに掴まれた。暗がりを見ると彼と、彼の男友達と何かが私を細道へと引きずり込もうとした。