伊達めがね
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慣れ親しんだ駅前の商店街。
随分廃れていて、何軒かしかお店も開いていない。
昔お世話になった眼鏡屋は閉店セールをやっていた。
残り少ない品の中に「伊達めがね」という商品があった。
いまどき伊達メガネに「伊達メガネ」なんてつけない。
もう売れやしないからとおじさんがタダでくれた。
お世辞にもおしゃれとは言えないが、思い出にとっておこうと思い、外に出てかけてみた。
この街を囲む山が見える、元から見えてたけど。伊達メガネだから当たり前だ。
そのまま視線を落とし、商店街を見渡す。
そこは自分がいた場所とは全く違っていた。
教科書に出てきそうな古い家々、奥から何やら怒号が聞こえてくる。
うおーーと声と共に、刀を掲げた男たちが鬼の形相で迫ってきた。
パニックになり振り返ると、後ろにも甲冑姿の男たち。
「殿、出陣の時です!」
威勢よく男が叫んだ。
どうやらこのめがねはだてじゃない。
伊達政宗のめがねだ。
随分廃れていて、何軒かしかお店も開いていない。
昔お世話になった眼鏡屋は閉店セールをやっていた。
残り少ない品の中に「伊達めがね」という商品があった。
いまどき伊達メガネに「伊達メガネ」なんてつけない。
もう売れやしないからとおじさんがタダでくれた。
お世辞にもおしゃれとは言えないが、思い出にとっておこうと思い、外に出てかけてみた。
この街を囲む山が見える、元から見えてたけど。伊達メガネだから当たり前だ。
そのまま視線を落とし、商店街を見渡す。
そこは自分がいた場所とは全く違っていた。
教科書に出てきそうな古い家々、奥から何やら怒号が聞こえてくる。
うおーーと声と共に、刀を掲げた男たちが鬼の形相で迫ってきた。
パニックになり振り返ると、後ろにも甲冑姿の男たち。
「殿、出陣の時です!」
威勢よく男が叫んだ。
どうやらこのめがねはだてじゃない。
伊達政宗のめがねだ。
ファンタジー
公開:24/06/09 16:35
ご覧いただきありがとうございます。
俳優業の傍ら、趣味でショートショートを製作しています。
田丸先生の書籍を読んでから、楽しく作っております。
ご意見、ご感想いただけると嬉しいです。
名作文学の朗読Youtubeを行っています。
『http://www.youtube.com/@akky_roudoku』
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