2
3
庭の植物が育たなくなってしまったので、庭事情をよく知る睡蓮鉢の女神に問うことにした。
女神を呼び出すには、コップ一杯のミルクとクッキーが必要だ。
さっそく近所の商店で新鮮なミルクを買い、クッキー作りが得意なチャミーおばさんに特製アメリカンクッキーを作ってもらった。
準備は万端、鉢の前に備えて声をかけた。
「睡蓮鉢の女神さま、植物の元気がありません。どうしたらいいか教えてください」
青磁色の睡蓮鉢からいくつもの泡が吹き出し、まもなく全身苔だらけの女神がズバッと顔を出した。驚いた私は腰を抜かして地面に座り込んだ。
女神はミルクとクッキーをひと口で平らげてしまうと、蚊の鳴くような小さな声で言った。
「アンタ……ねェ、構い過ぎ! 凝り過ぎ! ちょっと……放っておきな!」
「は、はいぃぃ!」
言う通りにしばらく放置していたら庭はすぐに緑でいっぱいになったけれど、痛めた腰は一向に良くなる気配がない。
女神を呼び出すには、コップ一杯のミルクとクッキーが必要だ。
さっそく近所の商店で新鮮なミルクを買い、クッキー作りが得意なチャミーおばさんに特製アメリカンクッキーを作ってもらった。
準備は万端、鉢の前に備えて声をかけた。
「睡蓮鉢の女神さま、植物の元気がありません。どうしたらいいか教えてください」
青磁色の睡蓮鉢からいくつもの泡が吹き出し、まもなく全身苔だらけの女神がズバッと顔を出した。驚いた私は腰を抜かして地面に座り込んだ。
女神はミルクとクッキーをひと口で平らげてしまうと、蚊の鳴くような小さな声で言った。
「アンタ……ねェ、構い過ぎ! 凝り過ぎ! ちょっと……放っておきな!」
「は、はいぃぃ!」
言う通りにしばらく放置していたら庭はすぐに緑でいっぱいになったけれど、痛めた腰は一向に良くなる気配がない。
ファンタジー
公開:24/06/09 15:05
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
ログインするとコメントを投稿できます