コントンがやってきた

ピンポーン！
「誰？」
「コントンと申します」
ドアを開けると風。煙でよく見えない。
「コントンって？」
「混沌と書きます」
「字を言ってもわからないよ」
「失礼しました。よく掃除されていますね」
「何か？」
「混沌としては、整理整頓されているので生活が平凡で退屈かと」
「別に、放っといてくれ」
「混沌を差し上げたいと思います」
「平凡で満足してるよ」
「左様ですか。ぜひ混沌を味わって下さい」と風に消えた。
そして電話。休日に部長から「Ａ社の重役が怒ってるぜ。昨日は失礼をしたな。担当から外す」確かに昨日Ａ社と打合せたけど。
また電話。「ひどいわよ。デートすっぽかして」彼女から。約束したかな。
PCを開くと税務署からメール。追徴課税のお知らせ。副業がばれたか。
またピンポーン、ドアに男二人。「警視庁です、昨夜19時から22時までどこに？」
やれやれコントンの置き土産か。これは退屈しないな。