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連太君は、生物の面白い話を聞くのが、好きだ。
今日も家の近くの林の中を、スマホの朗読番組を聞きながら歩いている。
番組では、不思議な鳥「かりょうびんが」の話をしていた。
上半身が人で、下半身が鳥の想像上の生物だ。
連太君は話を聞き、ふと“沼に現れた怪獣”の、地元の伝説を思い出した。
江戸時代のある時に、沼に4mほどの大きさで、猿の顔に似た黒い怪獣が登場したという。
「多分、その沼の怪獣は、迷い込んだ“アザラシ”だ」
彼はそう思う。
では、今聞いた不思議な鳥の正体は、何だろう。
「人の顔に似た鳥って、いるのかな?」
考えながら歩き、ふと横の木を見上げると、そこに人の顔があった。
美しい顔が、にっこりと微笑んでいる。
立ちすくみつつも、よく見ると、体はまさに鳥だ。
そして、足、腹、羽、と一つずつ消えていき、微笑む顔が木の枝にしばらく乗っていた。
そしてそのままふっと、消えてしまった。
今日も家の近くの林の中を、スマホの朗読番組を聞きながら歩いている。
番組では、不思議な鳥「かりょうびんが」の話をしていた。
上半身が人で、下半身が鳥の想像上の生物だ。
連太君は話を聞き、ふと“沼に現れた怪獣”の、地元の伝説を思い出した。
江戸時代のある時に、沼に4mほどの大きさで、猿の顔に似た黒い怪獣が登場したという。
「多分、その沼の怪獣は、迷い込んだ“アザラシ”だ」
彼はそう思う。
では、今聞いた不思議な鳥の正体は、何だろう。
「人の顔に似た鳥って、いるのかな?」
考えながら歩き、ふと横の木を見上げると、そこに人の顔があった。
美しい顔が、にっこりと微笑んでいる。
立ちすくみつつも、よく見ると、体はまさに鳥だ。
そして、足、腹、羽、と一つずつ消えていき、微笑む顔が木の枝にしばらく乗っていた。
そしてそのままふっと、消えてしまった。
ファンタジー
公開:24/06/02 18:44
迦陵頻伽
ファンタジーホラー
地元の怪獣話
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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