偏愛メガネ

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いつまでも愛する君の美しい姿を見続けていたいから、僕は懸命に勉強して発明家になった。科学を勉強し医療を勉強し神経や細胞も勉強した。最終的には脳神経までも研究しすごい発明が完成した。でも論文は書かない。僕の研究は僕のためだけに使いたいから。君を幸せにしたかったけど、それ以上に僕自身が幸せになりたかったから。

人は時間の流れに勝つことはできないけど脳を誤魔化すことはできるんだよ。だから僕は特殊なメガネを開発した。君と僕の専用のメガネ。世界に二つしかないメガネさ。

君の誕生日に合わせてプレゼントしたかったけど、少しだけ遅すぎたみたい。今横たわっている君は若い時と変わらないスタイルと顔でとても美しいよ。このメガネをかけている間は出会った頃の君に見えるようにセットしてあるんだ。

向こうでも君が好きになってくれた時の僕が見えるようにメガネをかけて送ってあげる。遅くなってごめん。すぐに僕も行くよ。
ファンタジー
公開:24/05/29 13:26
更新:24/07/09 14:56

松浦照葉( 福岡県 )

IT業界を卒業し、小説執筆中です。
普段はnoteでショートショートを投稿しながら、AmazonとAppleと楽天で小説、実用書の電子書籍を販売中です。
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