俺に聞かないでくれ

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「このペンギンはどこのだ?」

「そいつは南極。あ!上野!それはニューサン島の固有種!特別待遇者だ!」

 世界的能力者がまた馬鹿な事をしてくれた。「一羽〇〇円でペンギンを野和湖に移動させる」という企画をしたのだ。
 このご時世、奇抜な事をしなければ数字が取れないと、どいつもこいつもやり過ぎだ。世間も批判はすれど結局は「まだ誰も見た事のない凄いもの」を要求してくる。そのせいでこういった「迷惑行為と面白さ」の区別が曖昧になってきている。

 そしてその皺寄せが、何の落ち度もない疲弊した一般庶民に回ってきたりする。向こうはちょっとしたお遊びでも、こっちは生活が破綻しかねない。
 必死になってペンギンを各地に返送する。一日でも早く。安全に。クレームが来ないよう丁寧に。

「これ、残業代出るんスかね?」

「俺に聞かないでくれ。」

安全の為、念力で触れずに梱包。
レーンに乗せ移動能力部に流した。
SF
公開:24/05/28 23:50
更新:24/05/28 23:38

ぽんず

ぽんずとかねぎとか薬味と調味料。
(たまに作品整理をします。整理したSSはNovelDays等にあります)
http://lit.link/misonegi

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