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目が覚めたら神がみえるようになっていた。
どういう神かというと、埃の神である。
空気の入れ替えをしようと、窓をあけた途端に家具の隙間から現れ、ヤツは俺にのたまった。
「絵の具を全部混ぜると何色になるか?」
「知らん」
「灰色に決まっておろう。そしてワシは、埃の神じゃ」
糸くずや飼い猫のクリームパフの毛を主な要素としてできた埃だが、こうして会話できること自体が神の成せる技なのだろうか。
俺は会社に電話をかけて有給を取り、病院に行った。どこにも異常がなかったため、安心して埃の神と向き合った。
「それで何か用ですか?」
「余は悩んでおるのじゃ」
「へえ。神でも悩みとかあるんですね。そういえばさっきは自分のことを、『ワシ』って言ってましたね」
「実はキャラクターの方向性に悩んでおってな……」
もじもじしている埃の神。
俺はためらいなくヤツを掃除機で吸い取り、ふいにできた余暇を楽しむことにした。
どういう神かというと、埃の神である。
空気の入れ替えをしようと、窓をあけた途端に家具の隙間から現れ、ヤツは俺にのたまった。
「絵の具を全部混ぜると何色になるか?」
「知らん」
「灰色に決まっておろう。そしてワシは、埃の神じゃ」
糸くずや飼い猫のクリームパフの毛を主な要素としてできた埃だが、こうして会話できること自体が神の成せる技なのだろうか。
俺は会社に電話をかけて有給を取り、病院に行った。どこにも異常がなかったため、安心して埃の神と向き合った。
「それで何か用ですか?」
「余は悩んでおるのじゃ」
「へえ。神でも悩みとかあるんですね。そういえばさっきは自分のことを、『ワシ』って言ってましたね」
「実はキャラクターの方向性に悩んでおってな……」
もじもじしている埃の神。
俺はためらいなくヤツを掃除機で吸い取り、ふいにできた余暇を楽しむことにした。
ファンタジー
公開:24/05/26 09:00
更新:24/05/23 16:17
更新:24/05/23 16:17
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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