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彼女はキラキラ輝いていた。初めて会った高校の入学式、僕は彼女に恋をした。想いを告げるつもりはなく、同じ教室にいられるだけでよかった。彼女が遠くの学校へ転校すると聞いた時は動揺した。何もできないまま彼女は行ってしまった。彼女がいなくなり、ロスを乗り越えるのに半年かかった。苦い後悔が残った。

時は過ぎ、僕は大学生になった。入学式の会場で「私のこと覚えてる?」と声をかけられた。彼女だった。「吉瀬さん?」ドキドキを必死で抑えて言った。「同じ大学なんだ。よろしくね」やっぱりキラキラ輝いている。「うん、よろしく」気がついたら僕から手を差し出し、握手していた。自分の勇気に驚いた。それから、彼女とは一緒に食事したりするようになった。夢のようだった。

ある晩、何の気なしに彼女のSNSを検索した。なぜかどれも半年前までで途絶えていた。
そしてそれ以来、彼女と連絡が取れなくなり、二度と会うことはなかった。
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公開:24/05/21 22:37
更新:24/05/22 06:56

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