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私が働いていた神社には毎日鳩がたむろしていた。
雨が降ると決まって窓のさんにとまり、雨宿りするのがお決まりだった。
だけど鳩が苦手な同僚はその光景をいちべつするなり早退してしまうので、とうとう窓枠に金網が張られることになった。
「これで安心して仕事できるわ」と喜ぶ彼女の一メートル先に鳩。彼は急に私の頭のなかに話しかけてきた。
「頼みがある。助けてくれ」
空耳かと思って鳩を凝視していたら、それに気づいた同僚が金切り声を上げて逃げていった。気の毒だけど捜索に向かう場合じゃないと私は考え、慎重に応えた。
「内容によるよ」
「金網を撤去してほしい」
「断ったら?」
「鳩界隈に悪い噂が流れてしまうぞ」
鳩界隈に悪評が流れたところで影響があるはずがないと判断してお断りしたけれど、そのうち鳩が飛来しなくなると客足も途絶え、神社は廃業してしまった。
復讐が怖いので、鳩には特に親切に接している。
雨が降ると決まって窓のさんにとまり、雨宿りするのがお決まりだった。
だけど鳩が苦手な同僚はその光景をいちべつするなり早退してしまうので、とうとう窓枠に金網が張られることになった。
「これで安心して仕事できるわ」と喜ぶ彼女の一メートル先に鳩。彼は急に私の頭のなかに話しかけてきた。
「頼みがある。助けてくれ」
空耳かと思って鳩を凝視していたら、それに気づいた同僚が金切り声を上げて逃げていった。気の毒だけど捜索に向かう場合じゃないと私は考え、慎重に応えた。
「内容によるよ」
「金網を撤去してほしい」
「断ったら?」
「鳩界隈に悪い噂が流れてしまうぞ」
鳩界隈に悪評が流れたところで影響があるはずがないと判断してお断りしたけれど、そのうち鳩が飛来しなくなると客足も途絶え、神社は廃業してしまった。
復讐が怖いので、鳩には特に親切に接している。
ファンタジー
公開:24/05/27 09:00
更新:24/05/27 09:00
更新:24/05/27 09:00
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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