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某県某所。廃ホテルの二階をボクは歩いている。
壁には落書きがされていて、物は散乱している。
「ちょっと待って、一人多くない?」
「えー?怖い事言わないでよ!」
「暗いからよく分からないよ」
「押すなって、ビビりすぎだろ。」
「俺たち四人で来たよな?」
「うん」
「やっぱり5人居るじゃん。」

心霊スポットで、一人増えていたり減っていたりするのはまぁ語り草になっている事だ。
しかし、まさか自分が当事者になるとは思っていなかった。

一人増えている。それは確かだった。
彼らはよくわかっていないが、増えているのはボクだ。
まさか「増える側」になるとは思ってもみなかった。


四人は自分達がこの世の者だと思いながら、延々と廃墟を突き進んでいく。ボクは四人の姿が見えなくなってから急いで廃墟を後にした。
ホラー
公開:24/05/19 21:03
更新:24/05/19 23:39

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