我が犬生

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我輩は犬であるが。

ただ今、窮地である。

朝からご飯はもらえていない。
主人のお婆さんはしかめっ面をして毎日我輩のことを杖で諫めて?くる。

とても悲しい。

こんな日がいつまで続くのか。

と、思っていた矢先。

とうとう我輩は、

お婆さんの喉笛を噛み切り、肉を喰らった。

………。

という、夢をみた。

しばらくお婆さんを見つめ、どうしようかと考えていたが、

よくよく考えたらお婆さんはかなり不味そうだったので、諦めた。

もう少しだけ、

耐えてみよう。

そう思っていたら。

お婆さんがぽっくり逝った。

我輩は施設に預けられ、そこで、
新しい主人と出逢った。

今では、美味しいご飯を毎日頂き、広々とした家と庭で、この上なく幸せに暮らせている。

我輩の忍耐勝ちである。
ファンタジー
公開:24/05/19 11:41

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