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朝、焦げ臭い匂いで目を覚ますと友人であるAが燃えていた。身体全体がオレンジ色の炎に包まれている。今にも天井に届きそうな勢いの火柱は不安定に揺れている。Aの動きに合わせて火柱も移動する。Aは最初こそ、この状況に悶え苦しみ、床を這い回っていたが今ではもうすっかりおとなしくなってしまった。
私は動かなくなったAを暖炉代わりにして朝食の準備に取り掛かる。食パンがあったのでそれを焼こうと思ったが電気とガスを止められていることを思い出した。横ではAが依然として燃えている。私は食パンをAの側(もはやAかどうかは判らないが)に置き、Aが焼いてくれるそれを暫く見つめていた。炎は外の空気を取り込みさらに大きくなっている。そして大きくなった炎はパンを飲み込んだ。もはや食べることは不可能である。
私はその状況を酷く罵り、最後にAに向かって「なんでや!」と怒鳴った。
冬が明けようとしている。
私は動かなくなったAを暖炉代わりにして朝食の準備に取り掛かる。食パンがあったのでそれを焼こうと思ったが電気とガスを止められていることを思い出した。横ではAが依然として燃えている。私は食パンをAの側(もはやAかどうかは判らないが)に置き、Aが焼いてくれるそれを暫く見つめていた。炎は外の空気を取り込みさらに大きくなっている。そして大きくなった炎はパンを飲み込んだ。もはや食べることは不可能である。
私はその状況を酷く罵り、最後にAに向かって「なんでや!」と怒鳴った。
冬が明けようとしている。
ホラー
公開:24/05/18 12:24
更新:24/05/18 20:59
更新:24/05/18 20:59
舞茸です。
舞茸そのものです。
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