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ある罪で30年投獄されていた男がつい最近、その刑期を終えた。男は30年、自分の思い出が檻の灰色一色だったことを嘆き、思い出の買取を始めた。
嬉しかった思い出、楽しかった思い出、悲しかった思い出、たくさんの色の思い出が男の30年を彩っていった。
ある日、老婆が男の元を訪ねた。
「娘との思い出を買い取って欲しいんです。」
「娘さんとの思い出全部ですか?」
「いえ、買い取って欲しいのは娘が死んだ日の思い出です。」
男はその老婆に娘の名前、出身、見た目の特徴、いつ亡くなったか、どうして亡くなったかなど、娘に関してのあらゆる情報を尋ねた。
「なるほど。大変申し訳ありません。今回の思い出に関しましては買い取ることができないんです。」
「え?どうしてですか?」
老婆が怪訝そうに尋ねる。
「こちらの思い出は既に私が持っているからです。」
嬉しかった思い出、楽しかった思い出、悲しかった思い出、たくさんの色の思い出が男の30年を彩っていった。
ある日、老婆が男の元を訪ねた。
「娘との思い出を買い取って欲しいんです。」
「娘さんとの思い出全部ですか?」
「いえ、買い取って欲しいのは娘が死んだ日の思い出です。」
男はその老婆に娘の名前、出身、見た目の特徴、いつ亡くなったか、どうして亡くなったかなど、娘に関してのあらゆる情報を尋ねた。
「なるほど。大変申し訳ありません。今回の思い出に関しましては買い取ることができないんです。」
「え?どうしてですか?」
老婆が怪訝そうに尋ねる。
「こちらの思い出は既に私が持っているからです。」
ホラー
公開:24/05/20 10:50
更新:24/05/20 13:35
更新:24/05/20 13:35
舞茸です。
舞茸そのものです。
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