出発の音色

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私の夫は70歳で亡くなった。私は70歳で軽い認知症と診断された。
一人暮らしになってしまった私。夫のところに行く日は近いだろうと覚悟していた。
だが私は100歳まで生きた。認知症も進行せず、天寿を全うした。
『よう!久しぶり!元気にしとっただろう?』
玄関先で車のクラクションを鳴らす男。私のお迎えに来たのは、なんと30年前に亡くなった夫だった。
『どうしてもお前のお迎えには儂が行きたくてな、天国で運転免許を取り直したんだ』
65歳の時に返納した免許、また取ったんだ。
『その間、お前が儂の事を忘れんようにと閻魔様に頼んで認知症を遅らせ、寿命を延ばしてもらったんじゃ』
つまり私が30年間変わらぬ生活を送れていたのは夫のおかげ?
『そういう事。さ、早く車に乗ってくれ。この30年で天国に家を建てたんだ。驚け、今度の家はな…』
もう十分に驚いていますよ。
再び夫と暮らせる日が来るなんて夢のようです。
公開:24/05/14 21:02

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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