接待キャンプの夜は更けて

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インドア派なんだ俺はという正樹を説き伏せて軽バンに乗せた。不機嫌そうな隣をちらりと見つつ、アクセルを踏む。
スーパーで酒や食料を買い込み、ひたすら車を走らせる。出来たばかりのキャンプ場に到着。テントは張らずタープだけ組み立てて車中泊にする。正樹の機嫌が直ったところで、俺は受付であるものを買った。
「案外簡単なんだな」
「だろ」
「俺、何すりゃいい?」
「火ぃ付けてくれ」
「了解」
簡易コンロに興味が湧いたらしい。炭に火を付けるのは難しいので着火剤を使わせた。
「おお、付いた」
「肉焼くか」
「なぁ、雄大の持ってるやつ何?」
「段ボール燻製器だよ」
「俺作る」
「頼む」
これも接待用に買った。何でも燻製にすると旨い。
「燻製に合うのは」
受付で買っておいたあるものを取り出した。
「クラフトビール?」
「そ、このキャンプ場の」
正樹はご機嫌で俺の分まで飲んでいる。接待キャンプだから仕方ないか。
青春
公開:23/11/08 02:56
更新:23/11/08 16:11

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