おかげさまビール

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小さな村で旨いビールが作られていたが、余り人には知られず遂に休業する事になった。旨い味を作っていた従業員も去り工場は静まりかえった。
二羽の烏が倉庫の溢れた材料を食べながら、いつも貰っていたこのお礼をしたいな。
このビールの味を皆が知れば、売れるのにと嘆いていると、ビール泡の影の声がした。
僕は消えてしまうけど、君達の影も属している影互助会の人間の影達に宣伝を頼んで貰えないか。
烏は一人の男を思い出した。ここのビールとから揚げが大好きで、から揚げをいつも分けてくれた優しい彼の影に直ぐに相談してみよう。
その影は快く応じ、多くの人々の影に村のビールは美味しいよと声を掛けてくれた。影同士は行き交う度に小さな村のビールは美味だと伝えたので、人々は無性にビールが飲みたくなり喉を鳴らした。
小さな村から大きな街へ噂は広がり、村のビール工場へは客が連日押し寄せ、再び旨いビールを作れるようになった。
ファンタジー
公開:23/11/07 16:12
更新:23/11/08 10:08

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