殺意の香り
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新聞を読んでいて、あるコラムに目が留まった。
「読書のお供に香りを」
読書に香りを加えることで、五感が更に刺激され、本の世界へ入り込む「没入感」を味わいやすくなるという。ふぅむ、昨今は読書にも香りを用いるのか…。しみじみ読んでいるうちに、先日解決した「香水マダム殺害事件」が思い起こされた。
待てよ? ふと、違和感が湧き、それはみるみるうちに我の中で形になった。犯人はマダムの恋人ではない。もっと親しい身内、妹だ。
我はすぐに妹の元へ駆けた。
「貴女は香りを用いてマダムの恋人を操ったのですね?」
「姉のではありません、私の恋人です。」
「左様、あの男は貴女とマダムに二股をかけていた。それが動機となり、貴女は男に特別なアロマを嗅がせ、マダムを殺害させた。」
「…どうして分かったのですか?」
「香りです。貴女とすれ違った時に微かにしたそれが実行犯からもした。」
彼女はがっくりと項垂れた。
「読書のお供に香りを」
読書に香りを加えることで、五感が更に刺激され、本の世界へ入り込む「没入感」を味わいやすくなるという。ふぅむ、昨今は読書にも香りを用いるのか…。しみじみ読んでいるうちに、先日解決した「香水マダム殺害事件」が思い起こされた。
待てよ? ふと、違和感が湧き、それはみるみるうちに我の中で形になった。犯人はマダムの恋人ではない。もっと親しい身内、妹だ。
我はすぐに妹の元へ駆けた。
「貴女は香りを用いてマダムの恋人を操ったのですね?」
「姉のではありません、私の恋人です。」
「左様、あの男は貴女とマダムに二股をかけていた。それが動機となり、貴女は男に特別なアロマを嗅がせ、マダムを殺害させた。」
「…どうして分かったのですか?」
「香りです。貴女とすれ違った時に微かにしたそれが実行犯からもした。」
彼女はがっくりと項垂れた。
ミステリー・推理
公開:23/11/06 17:08
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