覚醒するインフルエンザ！

第120回インフルエンザ会合、開幕。

難しい顔で円卓を囲むインフルエンザウイルス達。小さな咳払いすら響く程の重い沈黙を、若きウイルスが破った！

「我々は、過ちを繰り返してきた…！自分達が生き残る為、多くの人間を苦しめてきた！私は、とある受験生にとりついた。彼はそのせいで大事な試験を…。あの涙を見て、私は気づいたっ！我々は変わるべきなのだとっ…！！」

熱に浮かされたような魂の演説に、頭がガンガンする程の拍手が沸き起こる。全会一致だった。



「……あった！僕の番号だっ！あったーー！！！」

1年前、インフルエンザのせいで見送った試験。今年はインフルエンザのおかげで勝ち取った合格。E判定で諦めかけていた第一志望。インフルエンザに罹った途端、身体と心が熱くなり、やる気が漲って受験勉強に打ち込めた。
咳き込みながら号泣する彼を見て、感動の涙がその場にいた全ての人へインフルエンスしていった。