瞬間の輝き
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「輪廻転生は美しくない」というのが彼氏の持論だ。
彼氏はアンテナショップで購入したばかりのクラフトビールを開けながら、いつものように語り続ける。
「この世は一瞬だからこそ美しい。祭りもそう、花火もそう、一厘の花もそう。いわば、このクラフトビールだって」
そういって、彼氏は五本目のビールに口をつける。
「鼻腔に抜けるホップの香り、喉をホッピングする炭酸の刺激、たまったげっぷを吐き出すときの爽快感。全ては、一瞬だからこそ美しい」
げっぷは美しくないだろう。心の中で思っても、口をはさんではいけない。いつもの事だ。
ほどなく彼氏はまどろみに入り、コタツの中で寝息を立て始めた。
私はそっと彼氏に毛布を掛ける。
いつもと同じ光景。昨日も一昨日も、そしてたぶん明日も。
繰り返すことが美しいこともあるのよ、と彼氏の寝顔につぶやいてから、私は冷蔵庫から新しい缶ビールを取り出し、ひとりでそっと傾けた。
彼氏はアンテナショップで購入したばかりのクラフトビールを開けながら、いつものように語り続ける。
「この世は一瞬だからこそ美しい。祭りもそう、花火もそう、一厘の花もそう。いわば、このクラフトビールだって」
そういって、彼氏は五本目のビールに口をつける。
「鼻腔に抜けるホップの香り、喉をホッピングする炭酸の刺激、たまったげっぷを吐き出すときの爽快感。全ては、一瞬だからこそ美しい」
げっぷは美しくないだろう。心の中で思っても、口をはさんではいけない。いつもの事だ。
ほどなく彼氏はまどろみに入り、コタツの中で寝息を立て始めた。
私はそっと彼氏に毛布を掛ける。
いつもと同じ光景。昨日も一昨日も、そしてたぶん明日も。
繰り返すことが美しいこともあるのよ、と彼氏の寝顔につぶやいてから、私は冷蔵庫から新しい缶ビールを取り出し、ひとりでそっと傾けた。
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公開:23/11/08 09:37
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