琥珀色は罪な奴

別れた貴方との思い出を全部処分するのだ。

一緒に観戦したスポーツのグッズ、旅先で貰ってきたリーフレット、二人で選んだアートパネル、スマホの中の画像。ああ、すっきりした。
さて頑張った私にご褒美。クラフトビールを飲むぞ。

この美味しさは貴方に教えてもらった。ああ、これだけはどうしても処分できない。なんて罪な奴。

私は琥珀色の液体を一瞬だけ睨むと、目を閉じて味わった。