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小学生の頃、こんなウワサがあったのを覚えているだろうか。
卒業式の日の夕方、必ず家で留守番をすることになる。そして、君宛ての小荷物が届くだろう。『クラフトクラブ』と書かれた小さな缶は、プシューってやると虹色の雲が立ちのぼる。すっかり大人になったハタチの君に、一度だけ会うことができるんだ。消費期限は君のハタチの誕生日。開けるかどうかは、君次第だよ。
「あったね~、そんな話。ウチら、くだらなすぎるっしょ」
「きっと、あの頃は大真面目だったんだよ」
ほんと、ウワサはウワサに過ぎなかった。
「大嘘だよね~。ハタチがすっかり大人だなんて」
ハハハハハ。くたびれた『クラフトクラブ』を横目にまどろむ。今、十代に戻ったとしても、タブに指を掛けることはないだろう。
虹色じゃなくても、全然いいじゃん。
卒業式の日の夕方、必ず家で留守番をすることになる。そして、君宛ての小荷物が届くだろう。『クラフトクラブ』と書かれた小さな缶は、プシューってやると虹色の雲が立ちのぼる。すっかり大人になったハタチの君に、一度だけ会うことができるんだ。消費期限は君のハタチの誕生日。開けるかどうかは、君次第だよ。
「あったね~、そんな話。ウチら、くだらなすぎるっしょ」
「きっと、あの頃は大真面目だったんだよ」
ほんと、ウワサはウワサに過ぎなかった。
「大嘘だよね~。ハタチがすっかり大人だなんて」
ハハハハハ。くたびれた『クラフトクラブ』を横目にまどろむ。今、十代に戻ったとしても、タブに指を掛けることはないだろう。
虹色じゃなくても、全然いいじゃん。
公開:23/11/03 13:47
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