観葉植ブーツ

朝起きると私は靴箱のビニールハウスを確認する。今日はどの観葉植ブーツを履いていこう？
残暑が続いた少し前までは夏っぽくアレカヤシの植ブーツを履いていた。
秋の気配もあるし、今日はストレリチアの植ブーツにしてみるか…レギネならレギンスとも合わせやすいし足が細く見える。
お洒落の基本は足下から。今日も緑が萌えている。
だが、私の周りに観葉植ブーツを知る人は少ない。
知っていても管理の難しさからか履いている人はいない。
「あれ？それって観葉植ブーツじゃね？実は俺も愛用者なんだ」
男性が声をかけて来た。
「キミ、どれくらい持ってる？俺、かなり持っているよ。今度、ウチ来ない？」
首を横に振る。だって男性のブーツ、タンブルウィードなんだもの。
断るや転がるように去って行くナンパ男性。観葉植ブーツと持ち主はよく似る。
私の場合、ヤシの木みたくスキルとキャリアを高く伸ばし過ぎて”高嶺の花”と思われている。