foword
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無性に泣きたくなった。何かを忘れたいのか、思い出したくないのか。
「きっとどっちも違うよ。」私は意図せず呟いていた。
どの景色を切り取っても、何かが思い出されてしまう。そんな時にふと前に現れたあなたは「行先なんて決めていない。ボクは自由に旅をするんだ。」そんな風に太々しく、いや軽やかに颯爽と私の前に立ち、舵をとるかのように鈴の音を鳴らして歩んで行く。
船頭が止まったのはアパレルショップの前、でも奥には煌々と輝く銀色のタンク。現れた不思議な光景に目を奪われながら奥の光の近くへ歩みを進めた。
「ご注文は?」の声にハッっとして、聞こえない鈴の音を探しながらTAP1を指差し、すぐ壊れてしまいそうな薄いグラスに注がれた、ちょっと濁った黄金色の液体を受け取った。ふわっと香る甘いアロマに、あのクラフトビールだと気が付いた。
「そんなことあるかな。」涙は勝手に零れ落ちた。
「きっとどっちも違うよ。」私は意図せず呟いていた。
どの景色を切り取っても、何かが思い出されてしまう。そんな時にふと前に現れたあなたは「行先なんて決めていない。ボクは自由に旅をするんだ。」そんな風に太々しく、いや軽やかに颯爽と私の前に立ち、舵をとるかのように鈴の音を鳴らして歩んで行く。
船頭が止まったのはアパレルショップの前、でも奥には煌々と輝く銀色のタンク。現れた不思議な光景に目を奪われながら奥の光の近くへ歩みを進めた。
「ご注文は?」の声にハッっとして、聞こえない鈴の音を探しながらTAP1を指差し、すぐ壊れてしまいそうな薄いグラスに注がれた、ちょっと濁った黄金色の液体を受け取った。ふわっと香る甘いアロマに、あのクラフトビールだと気が付いた。
「そんなことあるかな。」涙は勝手に零れ落ちた。
公開:23/11/01 17:43
愛媛産
クラフトビール好き。
普段は会社員で休みは好きなことを赴くままにやってます。
創作は全くの初めましてです。
暖かい目で見てやっていただければ幸いです。
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