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炭酸水を飲んでいる。
シュワシュワとした喉越しが、目覚めの身体に気持ちいい。
僕はそれをゆっくりと味わいながら飲んでいた。

半分くらい飲んだところで、同居人が起きてきた。
同居人は、ねむけ眼で、僕にこう言う。

「夕べ、変な夢見ちゃった・・・」
同居人の真剣な表情につられて、僕も真剣な顔になる。

「大きな猫に咥えられて運ばれてく夢」
「私はだらーっと脱力していて、大きな猫にされるがままになって運ばれてるの」

同居人は遠くを見つめながら、そこまで言うと炭酸水の入ったペットボトルに気が付いた。

「飲む?目覚めの炭酸水は美味しいよ」
「あ、おいしそう。私にも買ってきて」

僕は100円玉を握りしめて、自販機に向かう。
まだ暗がりの中、自販機の煌々とした灯りが、遠くからも確認出来た。

大きな猫に咥えられて、だらーっと脱力しながら、
そのまま運ばれていく同居人の姿が漫画みたいで微笑んだ
その他
公開:23/10/28 06:42

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