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田中さんは夢をみた。2080年の北京に来たのだ。
通りの向うから、一人の若者が歩いてくる。その格好はどう見ても“孫悟空”だった。
頭に金の輪がはめられており、手に持つ棒は、如意棒のように自由に長さが変わる。
そして、何と!彼がサッと手を上げると、空から小さな「雲」が降りてきた。觔斗雲(きんとうん)のように。
若者はその上に立つと、それはふわっと浮き上がった。
田中さんは中国語が話せたので、思い切って聞いた。
「もしもし、それは觔斗雲ですか」
若者は答えた。「いえ、これは“乗用ドローン”です」
「え、ドローン?」
彼は手の中の小さなスマホを見せた。「これで、レンタル・ドローンを呼び出すのです。あちこちにレンタルポイントがあって、用が済んだらそこで返却します。じゃ」
そういって、飛んで行った。
そこで田中さんは目が覚めた。
「金の輪も、棒も、ハイテク機器かな」彼はそう思って、笑った。
通りの向うから、一人の若者が歩いてくる。その格好はどう見ても“孫悟空”だった。
頭に金の輪がはめられており、手に持つ棒は、如意棒のように自由に長さが変わる。
そして、何と!彼がサッと手を上げると、空から小さな「雲」が降りてきた。觔斗雲(きんとうん)のように。
若者はその上に立つと、それはふわっと浮き上がった。
田中さんは中国語が話せたので、思い切って聞いた。
「もしもし、それは觔斗雲ですか」
若者は答えた。「いえ、これは“乗用ドローン”です」
「え、ドローン?」
彼は手の中の小さなスマホを見せた。「これで、レンタル・ドローンを呼び出すのです。あちこちにレンタルポイントがあって、用が済んだらそこで返却します。じゃ」
そういって、飛んで行った。
そこで田中さんは目が覚めた。
「金の輪も、棒も、ハイテク機器かな」彼はそう思って、笑った。
SF
公開:23/10/29 20:11
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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