空のこころを満たす夢

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 陽射しが柔らかさを纏い始めた頃、濃い青空が遠のいて雲を絨毯のように広げる頃。秋の始まりが私は好きだ。
 盛者必衰の理と言うと少し違うかもしれないけれど、緩やかに冬に向かって生を閉じるような空気は淋しくも趣深い。

 青々としていた木々は線香花火のように紅く輝いたのちにハラハラと散ってしまう
。動物は眠る準備に取り掛かり、虫たちは次の命を育んでいく。

 私の明日は、何か変わるだろうか。
 まるで地球に置いてかれているみたいだ。知恵がなくとも文明がなくとも循環し刻一刻と姿を変えるこの世界で、私はなぜ、毎日同じことを繰り返しているのだろう。

 色づく街路樹に、香る草花に、導かれて歩いてみたり。駆け足の太陽をスキップで追いかけてみたり。地球の公転速度に取り残されないように、走り出したい。
 
 それはきっと今夜の夢で叶うだろう。明日のことなど考えずに眠りに就ければ。
その他
公開:23/10/25 23:00

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