三日月のような光

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気が付くと辺りは真っ暗だった。真っ暗、ということすら語弊があるかも知れない。自分の身体がどうなっているのかすらわからない。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、その全てを奪われたような感覚だ。思い出せ、何があったのか。記憶の最後は仕事終わりにコンビニで買った缶ビールを開けた所までだ。まだ飲んですらいない、はず。記憶が少し曖昧だ。開けた後、どうなった? どうなって、今どうなっている? 誘拐……いや、そんなまさか、俺を誘拐した所で誰に何を要求するんだ。誘拐の線は薄い、気がする。……いや、もしかしたら俺には何か特別な力があってそれを利用しようとする悪の秘密結社にさらわれてしまったのかもしれ無いなそれは無い。なんてふざけてる場合じゃない。とにかくどうにかしないと。
"カシュッ"
三日月のような光が差し込んだと思ったら、俺の意識は遠のいていった。
「……ん、んぁ? 寝てたか……ん、このビール、美味いな」
SF
公開:23/10/26 21:01

なべこ( 関東 )

細々と、気が向いた時に、つらつらと。
ショートショートって決まり事とかあるのかな。
 

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