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母が死んだ。
救急車で病院に運ばれた。
「ナナツボシ…」最期の言葉だった。
私は母を避けていた。
母が嫌いだった。
私が幼ない頃、母は父と別れた。
母にとって私は、
希望の「星」だった。
稼ぎ頭のスター。
でも、荷が重すぎた。
だからずっと反発して生きてきた。
売り言葉に買い言葉で
大げんかをして家を出た。
それから20年。
こんなに早く別れの日が来るなら、
一緒に旅行すれば良かった。
九州出身の母は、
クルーズトレインに乗るのが夢だった。
携帯の待ち受けは「ななつ星」だった。
遺品整理で、実家に帰った。
玄関に「置き配」の段ボール。
開封する。
北海道の新米、ななつぼしだった。
そう、思い出した。
自家製梅干しと
炊き立てのななつぼしで握る
母のおむすびは、私の大好物なのだ。
いつ帰ってくるかもわからない
娘のために母は新米を頼んでいた。
母さん、ごめん。
そして、ありがとう。
救急車で病院に運ばれた。
「ナナツボシ…」最期の言葉だった。
私は母を避けていた。
母が嫌いだった。
私が幼ない頃、母は父と別れた。
母にとって私は、
希望の「星」だった。
稼ぎ頭のスター。
でも、荷が重すぎた。
だからずっと反発して生きてきた。
売り言葉に買い言葉で
大げんかをして家を出た。
それから20年。
こんなに早く別れの日が来るなら、
一緒に旅行すれば良かった。
九州出身の母は、
クルーズトレインに乗るのが夢だった。
携帯の待ち受けは「ななつ星」だった。
遺品整理で、実家に帰った。
玄関に「置き配」の段ボール。
開封する。
北海道の新米、ななつぼしだった。
そう、思い出した。
自家製梅干しと
炊き立てのななつぼしで握る
母のおむすびは、私の大好物なのだ。
いつ帰ってくるかもわからない
娘のために母は新米を頼んでいた。
母さん、ごめん。
そして、ありがとう。
ファンタジー
公開:23/10/23 09:14
更新:23/10/23 10:12
更新:23/10/23 10:12
田丸さんのご本を読んでショートショートが大好きになりました。楽しくて、毎日がワクワクしています。私にとってショートショートは「読むサプリ」、ほっ、となればうれしいです。読んでくださって、ありがとうございます。
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