シネマ 下

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「次回作って、どういうことだよ」
私が彼の不安感を煽るように言うと、彼もまたそれに誘われ、さらに焦りはじめる。後に何個か体たらくな理由とやらを並べていたが、信用できない、と私は一言。友人は諦めて語りはじめた。
どうやら友人は、例の映画に大きく携わっていたらしい。例の映画を手掛けた作家が描く、次回作も担当する予定だとか。私が驚いていれば、友人は、まあ、と、どこか悲しそうに喋りを続ける。
「実際、今作は出来が悪いまま公開になっちゃったから、次回作があるかどうかは、わからないんだけど」
首を乱雑に掻いて赤い跡をつくる。彼の困ったことを誤魔化すときに出る癖だ。私は思わず言った。
「協力できることならするよ」と。

長い間、意識が飛んでいたようだった。最初に映ったのは暗い夜空とスコップ、そして焦茶の土で、私は戸惑い、焦る。けれど、友人は冷静に言った。
「なあ、筋書きを作るのに協力してくれよ、親友」
ホラー
公開:23/10/24 16:05
#ホラー

箱の湯( インターネット )

インターネットに在住しています。地球出身の人間です。友人がこちらのサイトで文章を投稿しているようだったので、チャレンジの精神としてやってみました。常識はありません。面白いことは書けません。ので、どうか優しく。どうぞ宜しくお願いします。

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