クラフトビール

店員「クラフトビールです。どうぞ。」
客の男「クラフトビール？頼んでないよ。」
店員「いえ、これは店からのサービスです。近々、この店で販売するオリジナルクラフトビールなんですが、常連の皆様に試飲して貰っているんです。あっ。お客様はいつもワインをお飲みになってますよね。ビールは飲まれないですか？」
男「いやいや、ビールも飲みますよ。まあ、この店ではいつも、気どって高級なワインなんぞ飲んでますけどね。」
店員「そうでしたか。じゃあ是非飲んで見て感想を。」
男「じゃあ、いただきます。」
一気に飲み干す。
男「ぷはぁ～。こりゃうまい。こんなビール初めて飲んだよ。」
店員「そうですか。良かった～。喜んでもらえて。」
立ち去る店員。その顔には笑顔。椅子から崩れ落ちる客の男。
店員「ホントによかったですね、お客さん。最後に美味しいビールが飲めて。」
店員は手首に仕込んだ無線マイクに小さく呟く「任務完了」