パートナー

「もう、やってらんない」

仕事は好きだ。毎日それなりに充実しているのだけれど、楽しいだけじゃないのが労働というものだ。時に、理不尽なことだってある。今日はそんな日だった。

靴を脱ぐのもそこそこに、玄関を上がって真っ直ぐに冷蔵庫へ。手に取ったのはカラフルで、ポップなラベルのとっておき。

グラスの棚を横目に缶のプルタブを引く。ぷしゅり、と小気味よい音がして湧き出す泡と一緒に匂いが弾ける。スモーキーシトラスの香りだ。
ひとくち含めば広がるフルーティーで爽やかな味に、荒んだ気持ちが僅かに和らぐ。舌に残る苦味が心地良い。

つらい時、楽しい時、いつも私に寄り添ってくれる一杯。明日の私のための一杯。

きょうもありがとう。
あしたもよろしく。