おすそわけ

趣味で家庭菜園を行っている私の悩み。それは今年の夏の暑さにある。
太陽の暑さで野菜が煮えてしまっている…これでは食べる前から傷んでしまう…そんな悩みを農家の伯父に相談すると、伯父が雨雲を送ってきてくれた。
どうやら伯父の住む場所では今年は雨が多く、雨雲は有り余っていたそうだ。
それはありがたい。伯父からおすそ分けされた雨雲をすぐに畑の上へと設置する。日よけであり、水かけにもなる雨雲は効果覿面。
お礼に私は、伯父に太陽をおすそ分けした。ちょっと強めだから取り扱いに注意してね、と言うと、そんなのは百も承知だ、と答えられた。さすが専業農家。
伯父のおすそ分けのおかげで、今年も何とか家庭菜園は大成功。新鮮な野菜を食卓へと並べる。
「え～！野菜より肉が食いたいよ！」
私の苦労も知らずにワガママを言う子ども達。
私は伯父からおすそ分けしてもらったものの中に入っていた”雷”を子ども達へと落としてやった。