おすそわけ

今日もツイていないなぁ…とため息を吐いていると「もし良ければその不運、おすそ分けしてくれませんか？」と声をかけられた。
不運をおすそ分け？こんなもので良ければいくらでも持って行ってくれて構いませんよ。
「ありがとうございます。代わりに私の幸運をおすそ分けしますね」
私の不運が幸運に変わった。こんな幸運なことがあっていいのだろうか？
「それを幸運と感じられるのなら、不運を貰って良かったです。ずっと幸運でい続けると幸せに慣れ過ぎてそれが当たり前に思えてくるんです」
確かに…私も不運が当たり前になっているせいか、ちょっとした幸運でも幸せを感じる。嬉しくなってくる。
「幸運を幸運と感じるには、不運が必要なんです。不運をおすそ分けしてもらえるなんて、やっぱり私ってば幸運です」
それを幸運と感じられるのなら、大丈夫だろう。
災い転じて福となす。不運は幸運を幸運と感じさせる最高のスパイスだ。