コハクトビール

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今朝の各紙の一面トップを「世紀の大発見! コハクトビール」という文字が飾った。
記事を読むと、コハクトビールとは琥珀に閉じ込められたビールのことらしい。琥珀は数千万年から数億年前、地上に繁茂していた木々の樹脂が土砂などに埋もれて化石化したものだ。樹脂は、樹皮を傷つけると分泌する樹液がヤニ(脂)で、これが固まったものだから、ごく稀に蟻などの昆虫を樹液が包み込んで「虫入り琥珀」が見つかり話題になる。
考古学者がコハクトビールを調べたところ、太古の昔、ビールとよく似た雨が地上に降っていたことがわかり、その雨粒が樹液に包み込まれてコハクトビールが出来上がったという。コハクトビールは「ビール入り琥珀」だ。ビールは琥珀色をしていて、コハクトビールはクラフトビールの遠い先祖といえ、「琥珀とビール」から命名された。
その一滴の味わいには深いコクと共に、恐竜が生きていた時代の歴史とロマンが感じられるらしい。
その他
公開:23/10/14 06:53
琥珀 ビール 樹脂 樹皮 樹液 ヤニ 昆虫 太古 クラフトビール 恐竜

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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