酔い針
4
4
「おきゃえり~」
ほんのりと頬の赤い妻に、ふにゃりと出迎えられる。
「あっ、抜け駆けしたな~?」
悪戯っぽく俺が言うと、妻はぶんぶん首を横に振る。仕事が忙しく、最近晩酌を控えていた俺に、妻も合わせてくれていたのだ。
「縫い物してたの~」
「縫い物?」
「縫い針…じゃなきゅて、酔い針で」
リビングに入ると、黄金色に輝く針があった。
「あにゃたもこれでビール職人!…この針で刺繍した枕で寝ると、夢で美味しいビールが飲めりゅのっ。これにゃら、あなたも飲めるれしょ~?」
呂律が回っていなくて可愛い。手渡された枕を見ると、歪なビールジョッキが刺繍されていた。
「この針ねぇ、ひと針刺す度にビールが喉を通っていく様な感覚になるのぉ。酔って刺繍が曲がっちゃったぁ」
その夜、俺は妻と晩酌する夢を見た。夢の中のビールは、喉越しが優しく、マイルドな苦みと深い甘みが最高なビールだった。
ほんのりと頬の赤い妻に、ふにゃりと出迎えられる。
「あっ、抜け駆けしたな~?」
悪戯っぽく俺が言うと、妻はぶんぶん首を横に振る。仕事が忙しく、最近晩酌を控えていた俺に、妻も合わせてくれていたのだ。
「縫い物してたの~」
「縫い物?」
「縫い針…じゃなきゅて、酔い針で」
リビングに入ると、黄金色に輝く針があった。
「あにゃたもこれでビール職人!…この針で刺繍した枕で寝ると、夢で美味しいビールが飲めりゅのっ。これにゃら、あなたも飲めるれしょ~?」
呂律が回っていなくて可愛い。手渡された枕を見ると、歪なビールジョッキが刺繍されていた。
「この針ねぇ、ひと針刺す度にビールが喉を通っていく様な感覚になるのぉ。酔って刺繍が曲がっちゃったぁ」
その夜、俺は妻と晩酌する夢を見た。夢の中のビールは、喉越しが優しく、マイルドな苦みと深い甘みが最高なビールだった。
その他
公開:23/10/08 09:44
更新:25/08/12 15:22
更新:25/08/12 15:22
読んだ人に笑顔になってもらいたいという想いから投稿し始めましたが、私の文章ではそういったものが届けられないのだろうなぁと気づかされました。
今は書こうと思うとただただ悲しくなるだけなので、もう投稿することはないかもしれません。
アカウントは残しますがこれ以降浮上することもないかと思います。
短い間でしたが今までありがとうございました!
たくさん学ばせて頂きました。
お元気で。
2025.9
ログインするとコメントを投稿できます