杉本のばあい(2/3)

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帰りかけの下井が引き返してきたので、それなりに長い列だったのだろう。杉本にはどこまで客が並んだらヘルプが必要なのかなどは、まだわからない。
「おつかれ」
杉本のレジに、下井が商品を置く。コーヒーと小袋に入ったお菓子が数点。杉本がレジを通す。下井がカードで支払うと、「がんばったから」と小袋のお菓子をくれた。
「私のぶんももちろんありますよね?」
笑いながら手を差し出す吉岡に、下井が「しょーがないな」と笑って差し出す。吉岡は人懐っこい顔でお礼を言う。
二人で手を振り下井を見送ると、吉岡が杉本に「すぎもっちゃん」と話しかけた。
「すぎもっちゃん?」
あだ名で呼ばれたことがあまりない杉本は面食らい、想像以上にとがった声が出た。
「あ、ごめん。あだ名ダメ?」
「あんまり呼ばれ慣れてないから」
「そうなんだ」
その他
公開:23/10/07 23:49

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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