観珈琲

散歩中、観珈琲の自動販売機を見かけた。
懐かしい。妻と結婚する前、新婚旅行はどこにしようかって観珈琲飲みまくっていたんだっけか。久しぶりに購入してみた。
観珈琲の蓋を開けると観光地の空気が漂ってくる。この最初の一吸いがたまらない。
が、飲むと足まめになる程の疲労感が襲ってくる。飲み終わると旅行から帰ってきたように感じられる。
若い頃はこれを１日に何本も飲んでいた。今では１本が限界だ。
でも、その１本で十分。今はあちこちに行くより、一カ所で思い出を作りたい。
「パパ！ボクも飲みたい！」
息子の声に意識を空想の旅行先から現実へと戻す。
ポケットの中を漁ると６０円。
丁度６０円のジュースを見つけ、それを買って息子に渡す。
「ねぇパパ！３連休！どこか連れてって！」
息子が突然、目を輝かせお願いしてきた。
ジュースのラベルを見ると観コーラ。
しまった…と思うも時すでに遅し。明日、どこか連れて行くか…