ちんちゃ やさしい

2
1

「あんたって ちんちゃやさしいね」

そんな言葉を残して彼女は去って行った。

僕はずっとその言葉の意味をマイナスに捉えていたんだ。

自分はちっちゃな男だと言われたと思っていた。 

優しいだけで頼りない漢だど思い続けていた。


ある日、韓国から日本の大学へ留学して来ている女の子と知り合いになった。

「ちんちゃうける」
「ちんちゃ嬉しい」
「ちんちゃコマウォー」

僕は本当の意味を知り、彼女の居る街まで走り走り走って駆けつける。


「ちんちゃお待たせ」
「ちんちゃ待たせすぎよ」
「お待たせ好きだ」
「何がお待たせ好きだかもよ」


優しい風が吹き抜ける季節
あの頃のふざけ合った掛け愛
秋風が僕のココロを突き抜け晴天を突き砕ける

ちんちゃ女心は秋の空だね

吹き出し返信には、後ちんちゃの文字しか無かった。

「もう優しくしないで、ちんちゃ」
恋愛
公開:23/10/06 23:03

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容