尾崎のばあい(3/3)

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そのときは、とは言っても付き合いというものもあるじゃないかと思ったりもしたが、要はそのバランスがうまくない尾崎を気にした柴田がフォローしてくれたと知ったのは、しばらくたってからだった。
みんな同じタイミングで着替え終わるため、なんとなくいつも一緒に更衣室を出る。
ふと隣り合った柴田から明日のお得情報を聞いていると、前の集団と距離があいた。
そのとき小さな声で、今度お邪魔してもいい?と聞いてきた。
「もうすぐでしょ? 娘さんの命日」
10年も前に亡くなった娘だが、誰かに気にかけてもらえているようで、うれしかった。
「あいてる日、確認してみる」
パートの仲間たちがちりじりになって帰っていく。あっさりしたもので、付き合いやすい。
尾崎もみんなに手を振った。
柴田は笑いながら、エコバックを持ってスーパーの方へ歩いて行った。
公開:23/10/03 21:48

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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