尾崎のばあい(1/3)

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スーパーのパートは楽だ。
力仕事もそれほどないし、急に休むことになってもどうにかなる。客と接することもないので、黙々と商品を並べるだけである。
なにやら騒がしい笑い声の方を見やると、レジでバイトしている数名が尾崎の方へやってきた。いつも同じ時間にあがる、パート仲間だ。
彼女たちと働いていると、楽しいことも多い。意味のある会話をたくさんするわけではないけれど、仕事終わりに少し話す程度が尾崎にとってはちょうどいい気分転換である。
終わりの時間を過ぎてしまっていたので慌てて片付けの準備をしていると、バイトの大学生久松がやってきた。
人と目を合わせるのが苦手なようで、久松はこちらを見ない。なので説明を聞いているのかわらかない。今の若い子はみんなそうなのかと思うが、だったらどうだというのだ。説明を聞いてくれないと困るのだ。
その他
公開:23/10/03 21:44

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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